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リーダーたちの未来図

多様性を受け容れる社会づくりに貢献したい

いちごグループホールディングス株式会社 取締役執行役副社長兼COO 石原 実 USF 代表理事 諸橋 寛子

いちごグループホールディングス株式会社
取締役執行役副社長兼COO
石原 実
USF 代表理事諸橋 寛子

ウエイトリフティングとライフル射撃において将来性豊かな選手を社員として迎え、共に成長していくことを目指すいちごグループホールディングス。不動産再生とクリーンエネルギーを事業の柱として展開する企業が考えるスポーツ支援の意義と東京オリンピックに向けた挑戦についてお話を伺います。

人々に愛される良き市民でありたい

諸橋寛子本日は「一期一会」の出会いを楽しみにしてまいりました。「一期一会」という言葉は御社名の由来でもあるそうですね。

石原氏はい。私たちは、一期一会の「人との出会いを大切に」という精神を理念として、ステークホルダーの方々と信頼関係を築きながら、社会に貢献していくことを目指しています。具体的には不動産や金融の専門性を活かし、不動産の再生、J-REITの運用やクリーンエネルギー発電などの事業を営んでおります。

諸橋グループ各社ではさまざまな事業を展開されていらっしゃいますね。グループ企業としてどのようなCSR活動に取り組まれていらっしゃいますか。

いちごグループホールディングス
株式会社 取締役執行役副社長兼COO
石原 実氏

石原氏大きな柱として2つあります。ひとつめは東日本大震災の復興支援やユニセフなどへの寄付活動で、もうひとつはスポーツや芸術を支援することです。私たちが健全な社会づくりを支えていくことこそが、企業として収益を上げ続ける源泉であるという考え方に基づいてCSR活動が行われています。

諸橋芸術分野での支援とは具体的にどのようなことを?

石原氏当グループが保有・運用する物件の共用空間を使って、芸術やデザインを学ぶ学生たちの優れた作品を広く社会にご紹介する機会を提供しています。たとえば、東京藝術大学と行った産学協同プロジェクトでは、「道草」をテーマにそこを通る人たちが道草できるような、日常生活にちょっとした心のゆとりを与えてくれる空間づくりを目指して、研究生たちが作品を創作し、その中から選ばれた優秀作品を実際に展示します。

諸橋そうした作品によって無機質な建物が豊かな空間にもなりますね。制作費用は御社が提供するのですか?

石原氏はい、作品を社会に発表する機会が少ない学生たちにとっても、私たちにとっても、物件のテナント様や来館者様にとっても、そして社会にとってもいいことですから。そのほかにも、「動物」や「椅子」をテーマにしたプロジェクトもあるのですが、それぞれ創造性に溢れた素晴らしい作品ばかりで、見ごたえがありますよ。また、市民の皆様の音楽、ダンス、絵画、写真など、さまざまな芸術分野でもグループが経営するショッピングセンターなどで発表の場を提供しています。

諸橋すばらしいですね。一方で企業にとってCSR活動は支出であるという考え方もありますが、その辺のところはいかがでしょうか。

石原氏もちろん、どんなお金でも企業が支出するからには合理的でなければなりません。単にスポンサーをしているわけではなく、上場企業としてきちんと説明できる投資であるかということを常に念頭に置いています。スポーツや芸術を通じて人々が成長し、社会の幸せと繁栄につながっていく、ひいては私たちの事業の成功に寄与するという考えのもと、スポーツや芸術活動の支援をしています。私たちのマーケットであるわが国の健全な発展のための投資という考え方ですね。

諸橋おっしゃるとおりですね。CSR活動を継続するためには、まずは企業が基盤をしっかりとさせることも大切です。次に、御社のスポーツ支援についてもお伺いしたいのですが、今、ウエイトリフティング部とライフル射撃部がありますが、この2つのスポーツに注目された理由をぜひお聞きしたかったのです。実は亡父が創業したゼビオ株式会社でもウエイトリフティング部を作って支援していたんですよ。父自身がウエイトリフティングの選手だったこともあって。1992年にチームの佐久間勝彦選手がバルセロナオリンピックに出場した時は、皆で応援して大盛り上がりだったそうです(笑)。その時はまだ会社規模も小さかったので、なぜウエイトリフティング部?と思っていましたが、マイナー競技に支援が集らない苦労についてはよく理解しています。

石原氏同志ですね、嬉しいです。私たちは企業としていつも人々に愛される良き市民でありたいという想いから、支援が乏しいマイナー競技であり、そして世界への扉が開かれている競技に着目しました。大抵のメジャースポーツにはすでにスポンサーがついているので、私たちは支援が足りないところをサポートしようと。縁あってロンドンオリンピック銀メダリストの三宅宏実選手との出会いがありまして、この2つの理由に合致するということでウエイトリフティング協会への支援と選手たちを社員として雇用することを決めたというのが始まりですね。

諸橋メジャースポーツだけでなくマイナースポーツの振興にも注力している当財団としては、こうした支援の話をお聞きするのはとても嬉しいです。選手の皆さんはどのように雇用されているのですか?

石原氏全員が他の社員と同じ入社試験をパスして採用されています。社員として雇用する以上、スポーツ選手としてどんなに優秀であってもビジネスパーソンとしての資質を満たしていなければ採用していません。わが社の定年は70歳ですから(笑)。

諸橋オリンピックの代表候補選手であっても、きちんと社会人としての資質を考慮された採用なのですね。選手たちは現役の間も会社で業務をするのですか?

石原氏まず、いちごでは、練習や試合をCSR業務と位置付けています。CSR業務と一般業務の割合は、選手の成績や希望に鑑みながら決定しています。スポーツを業務として位置付けることは、重要なポイントだと思います。ライフル射撃部の中にも営業部長として活躍している選手がいますがとても優秀ですよ。

諸橋たとえ現役を引退しても社内で活躍できる場があるのは選手として大変心強いことですね。今、当財団でも東京オリンピック・パラリンピック後に何を残そうかというオリンピックレガシーについて話す機会が多いのですが、さまざまな課題がある中でもアスリートたちのセカンドキャリアについては特に気にかけています。

石原氏私はやはり社員として雇用する、スポーツを業務として位置付けることが、企業ができるスポーツ支援の原点なんじゃないかと思っているんです。それは選手だけでなく他の社員にとってもよい影響があります。いちごでは全社員がそれぞれに掲げた業績目標の達成度によって賞与が決められるのですが、選手たちも他の社員と同じように業績目標を立てています。業績目標には、当然スポーツに関連する事項も含んで構わないわけです。自分の目標に向かって努力している社員同士だからこそ、お互いを尊敬することができるでしょうし、世界一を目指して頑張っている仲間がいることは社員みんなの誇りにもなりますから。

諸橋選手たちがお客様扱いではなく、それぞれの持ち場で頑張る会社の仲間として受け入れられている素晴らしい会社ですね。

石原氏仕事でもスポーツでも、みんなで一緒に何か大きなことを成し遂げるということは素晴らしいことです。選手たちが競技を通じて我が国や社会へ貢献できる喜びをチームだけでなく、グループはもちろん市民の皆様と分かちあいながら、それを誇れる企業でありたいと考えています。