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リーダーたちの未来図

すべての人にスポーツの楽しさを

ナイキジャパングループ ジェネラルマネージャー ジム・レイノルズ USF 代表理事 諸橋 寛子

ナイキジャパングループ
ジェネラルマネージャー
ジム・レイノルズ
USF 代表理事諸橋 寛子

革新的なプロダクトで常に世界をリードし続けるナイキ。グローバルリーダーとしてCSRの取り組みに常に大きな注目が集まるなか、ナイキが目指す「サステナブル・イノベーション」とは? 持続可能な社会の実現に向けて求められる役割と日本のスポーツ市場の可能性、東京オリンピックへの取り組みについてお話を伺います。

すべての人がアスリート

諸橋寛子本日はスポーツと人を結ぶ御社が取り組むCSR活動をはじめ、日本市場の可能性やスポーツ振興への想いなど、さまざまなお話をお伺いしたいと思っております。最初に御社の企業理念とCSRについてお聞かせください。

ジム・レイノルズ氏私たちは「世界中のすべてのアスリートにイノベーションとインスピレーションを」という大変明確なミッションを掲げています。私たちがアスリートという言葉を使うときには必ず*(アスタリスク)マークをつけているのですが、それは「If you have a body, you are an athlete.(体があれば、あなたはアスリートだ。)」ということを表しています。スポーツ選手だけではなく、世界中のすべての人がアスリートであるという考え方は、私たちのCSR活動の最も重要な部分となっています。それをベースにCSRのポイントは2つあります。ひとつはアスリートのためにベストを尽くすということ、そしてもうひとつが世界のために貢献し、足跡を残していこうということです。

ナイキジャパングループ
ジェネラルマネージャー
ジム・レイノルズ氏

諸橋企業が大きくなればなるほど、環境、人口、エネルギー問題など社会から求められる役割も大きくなって、活動内容も非常に多岐にわたると思いますが、サステナビリティの先進企業として評価の高い御社のCSR活動は、具体的にどのように進められているのでしょうか。

レイノルズ氏CSRの一環として重点的に取り組んでいるのはサステナブルなビジネスやイノベーションです。環境に優しいフットプリントを目指す取り組みにおいて、製品に使用する原料から製品がお客様の手元に届くまで、あらゆるプロセスにおいて検証を重ね、環境への負荷を割り出したり、どれだけエネルギーの無駄を省けるかといったことを行っています。また、各過程の設定目標を公表することで、成功しているところと苦戦していることころをすべてクリアに評価いただけるようにしています。

諸橋ひとつひとつの製造過程をより合理的に進化させるかといったことが、すなわちビジネスのイノベーションであるという考え方にも繋がりますね。スポーツ振興をテーマとしたCSR活動についてもぜひお聞きしたいのですが、今、どんなことに注力されていらっしゃいますか。

レイノルズ氏私たちの重要な役割として、世界中の人々にスポーツのインスピレーションを提供するということがあります。それはアスリートのパフォーマンスを向上するために革新的なプロダクトを届けることに留まらず、スポーツが持つ力や体を動かすことの楽しさを伝えたり、新しいことにチャレンジするきっかけを提供したり、世界中の人々のインスピレーションをかきたてるような提案をしていきたいということだと考えています。その一環として、現在、7~10才前後の子どもたちにスポーツへの関心を高めてもらえるような活動を積極的に行っています。

諸橋世界的に子どもたちのスポーツ離れが問題になっていますから、それはとても意義深いですね。特に10才前後までの子どもたちをターゲットにしているのはどういったことからでしょう。

レイノルズ氏アスリートやスポーツ関連の研究者たちと話をしていますと、生涯スポーツに関わる、または楽しんでいるという人たちのほとんどが7才~10才くらいの間にスポーツに関して何かポジティブな体験をしているといいます。アメリカでは2010年からスタートしたDESIGNED TO MOVEという活動に注力していまして、それがまさしく7~10才の子どもたちにスポーツのポジティブな体験を提供しようという活動なんですよ。

諸橋DESIGNED TO MOVEは、ナイキとスポーツ科学や教育機関など70以上の組織の検証やレポートを統合し、運動不足による社会への悪影響を改善していこうというアクションですね。

レイノルズ氏そうですね。当時、アメリカではこのまま社会の運動不足を放置していると今の子どもたちは、親より寿命が短い第一世代となるだろうというショッキングな報告がありました。そこで、さまざまなスポーツ研究から根本的な問題を洗い出し、社会全体でアクションを起こしていこうという試みが行われています。DESIGNED TO MOVEの中で、人生の最初の10年間が生涯の身体活動や脳の発達、心身の健康、社会性の形成にきわめて重要な期間であること、そしてよい影響が生涯を通じて継続されやすく、ポジティブなサイクルが次世代へと受け継がれていくと謳われています。

諸橋当財団が子どもたちを対象にスポーツ振興に取り組んでいる理由もまさに同じです。私たちは経験したことのないさまざまなスポーツに触れる機会を積極的に提供して、子どもたちにいろいろな刺激や成功体験を与えていきたいと考えています。日本の子どもたちにもDESIGNED TO MOVEの活動をぜひ展開していただきたいですね。

レイノルズ氏正直に申し上げまして、これまではアメリカや中国といったスポーツにあまり関心のない子どもたちが多い国々を中心にした活動でしたが、これからは日本を含むさまざまな国の子どもたちにインスピレーションを提供していこうと、今まさにグローバルチームと計画をしているところなんですよ。

諸橋それはとても楽しみですね。子どもたちにとって、そうしたきっかけが大きな変化をもたらすことになるでしょうから、ぜひ御社ならではの独創的なアイディアで、子どもたちをどんどんインスパイアしてくださることを期待しています。

レイノルズ氏ぜひそうしていきたいですね。ナイキが社会に果たすべき大切な役割として、子どもたちにスポーツは楽しいということを伝えていきたいと思っています。このような活動は継続できなければ意味がありませんから、最初はゆっくりかもしれませんが必ず継続できるような活動にしていきたいと考えています。